■神奈川県の障害者入所施設内における殺傷事件に対する声明(平成28年7月28日)

神奈川県視覚障害者団体連絡会
 NPO法人 神奈川県視覚障害者福祉協会
 NPO法人 横浜市視覚障害者福祉協会
 NPO法人 川崎市視覚障害者福祉協会
 相模原市視覚障害者協会

 私たちは、神奈川県および県内政令指定都市の視覚障害者4団体による連絡会です。
 今般発生した県内障害者入所施設内における殺傷事件に関する報道に接し、障害者の当事者団体として、 ただただ驚愕と不安を禁じえません。
 事件の解明はこれからですが、こうした悲惨な事件をきっかけに、障害者への偏見の増悪をもたらすのではないかと危惧しています。
 私たちは、被害にあわれた障害のある当事者、そのご家族に哀悼の意を表するとともに、 広く社会に障害者の理解と支援の輪を広げたいと願って、ここに声明文をまとめました。
 平成28年7月26日未明、障害者支援施設「神奈川県立津久井やまゆり園」(相模原市)において、 入所されていた知的障害の方々が襲われ、19人が命を奪われ、26人が負傷するという、社会を震撼させる痛ましい事件が発生しました。
 ひとりの加害者が刃物により50人近い無抵抗の人を襲ったのは、まさに戦後最大の殺傷事件といえます。
 今回の犯行は、計画的に障害者(知的障害者)を狙ったものであり、 元職員が窓を割って侵入し次々と無抵抗な人たちを切りつけ未曾有の大惨事を引き起こしたもので、 障害者への差別と偏見による事件として私たちは大きな憤りを隠せません。
 この施設を運営するのは指定管理者のかながわ共同会であり、指定管理者に対して、神奈川県は指導・監督責任があるにもかかわらず、 運営は管理者に「丸投げ状態」と言わざるを得ません。
 神奈川県として、今後、労務管理などの施設運営を含め、福祉施設の運営や障害者福祉のあり方について抜本的な改善策を検討するよう希望します。
 この犯人は「障害者がいなくなれば良い」と言っているようですが、平成26年に我が国も障害者権利条約を批准したように、 世界では「障害者の人権を保障する動き」が主流です。
 更に今年4月「障害者差別解消推進法」が施行され障害者の人権を尊重することが法的にも確立した時でもあります。 「障害は個性」「障害者は社会が作り出す者」というのが現代社会の考え方なのです。
 この犯人が「心神耗弱」「責任能力がない」などの理由で、精神鑑定などを行いその罪状を軽減することは考えられません。
 その理由として、報道によれば、犯人は2月ごろ衆議院議長に手紙を渡し、このような事件を起こすことを予告していたようです。
 これだけ計画的に実行できる事実を勘案すれば、残忍な行為を抑制できなかったとは思えません。
 障害の種別は異なるとはいえ、私たちの仲間が19人も死亡し、26名もが負傷した現実を、同じ障害者・人間として、大変悲しく、且つ又受け入れかねています。
 この事件が早く解決することを願いつつ、社会の人たちが「障害の理解」や障害を個性として受け止めていく」 という意識が定着することを期待してやみません。
 また、犯人が精神科への入院経験があるとかで、他の精神障害の方たちに対して偏見が増大しないことを願うとともに、 事件の真相が明らかでない段階で、報道各社に偏見と予断を煽りかねない記事は避けていただくよう願っております。
 結びに、亡くなられた方のご冥福と、負傷された方の回復並びにご家族の皆様に対し、重ねてお見舞いを申し上げます。


■神奈川県の障害者入所施設内における殺傷事件に対する声明(平成28年7月28日)おわり

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