本会は、令和6年10月2日、川崎市議会に、市議会全会派の賛同をいただき、標題の請願を提出しました。
請 願 の 要 旨
繋がっている点字ブロックなどをアゼリア地下街に整備してほしい。
現在、アゼリア地下街には点在する点字ブロックがありますが、繋がっていないため視覚障害者にとって方向が取りにくく、視覚障害者の自立した行動が困難です。視覚障害者が自分ひとりで進む方向と安全を確認できるよう、とくにJR川崎駅方面、京浜急行駅方面、市役所方面及びバスターミナル方面の出口階段まで、エレベーターとトイレ前までの繋がっている誘導ブロックと 、トイレの音声案内及び地下駐車場の階段出口前の警告ブロックを整備してください。
請 願 の 理 由
1 地下街は視覚障害者にとって比較的安全な空間ではありますが、反響音があり、位置・方向を確認するためには点字ブロックが重要です。
アゼリア地下街は、日本有数の面積の大地下街であるにもかかわらず、他都市、例えば横浜市の駅近くの地下街の点字ブロックの敷設状況と比べてもあまりにも見劣りがし、利用者の利便性・安全性への配慮に乏しい状況です。
2 本会は、川崎市長あてにアゼリア地下街の点字ブロックについての要望を長年提出していますが、川崎アゼリア株式会社は、昭和61年10月開業時に当時の川崎市視力障害者福祉協会などから意見をきいていることを理由に、その後の地下街の大幅リニューアルのときも含め点字ブロックの設置見直しをほとんどしていません。
同社では、現時点では、新たな誘導ブロックの整備は予定しておらず、「障害者の方が安心して御利用いただけるように、街内ITV(監視)カメラ映像をオペレーターが確認し、警備員を駆け付けさせるなどとともに、巡回中の警備員・スタッフによる声かけを随時行うなどで安全配慮に努めている」としていますが、視覚障害者が実際に通行するときに同社スタッフなどの支援があったと聞いたことはありません。
現に支援のないまま地下駐車場への階段と同一の通路にあるトイレを利用する際に、本会会員が階段まで直進してしまい、急な下りの階段を踊り場まで転落したことがあります。これは警告ブロックが敷設されていれば防げたはずの事例です。
3 障害者差別解消法の規程する「合理的配慮」は本年から民間企業においても義務となりましたがその趣旨からも同社の対応はかけ離れていると指摘せざるを得ません。
4 また、川崎市はこのような同社の回答を伝達して、「まちづくり条例の趣旨に配慮し、視覚障害者の方が安心して歩行できる環境整備が進むよう、本市としても、庁内関係局とも連携しながら、引き続き、川崎アゼリア株式会社に点字ブロックの追加敷設等の要請を行ってまいりたいと存じます。」(令和6年3月5日)と回答するにとどまっています。
しかし、同社は川崎市の出資法人であり、本件について川崎市は、積極的に同社に対し、必要であれば助成も含め、視覚障害者の利便性・安全性に十分配慮した点字ブロック等の整備を主導し実現させるべきであります。
5 尚、具体的な敷設整備にあたっては、日本有数の地下街にふさわしい環境を目指し視覚障害者の利便性・安全性を保障するため、予め視覚障害当事者団体の意見を聴いて反映させるようお願い致します。
「アゼリア地下街の点字ブロック等の整備に関する請願」提出の報告(令和6年10月) 終わり