点字サークル,芽の字会

点字図書目録テキスト版

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年度別点字図書目録メニュー

     
  1. 2023年度版(2022年4月〜2023年3月作成)
  2. 2022年度版(2021年4月〜2022年3月作成)
  3. 2021年度版(2020年4月〜2021年3月作成)
  4. 2020年度版(2019年4月〜2020年3月作成)
  5. 2019年度版(2018年4月〜2019年3月作成)
  6. 2018年度版(2017年4月〜2018年3月作成)
  7. 2017年度版(2016年4月〜2017年3月作成)

2023年度版(2022年4月から2023年3月作成)

                                                                                                                                                                                                                                                                
書名著者出版社巻数
1.でも女群ようこ集英社4巻
幼稚園児、女子大生、主婦、キャリア・ウーマン、ハイ・ミス…etc.様々な女たちの生態と心理を、「女の友情」を軸にスルドク描いた短篇小説集。著者独特の的確な観察眼、超リアルな描きっぷりはますます快調!ジタバタしながらそれなりに懸命に人生を送っている女たち。その奮闘ぶりには、身につまされたり笑ったり。表題作はじめ10篇を収録。
2.ポプラの秋湯本香樹実新潮社3巻
夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、あるアパートに引っ越した。不気味で近寄り難い大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた―。18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。世界で高い評価を得た『夏の庭』の著者が贈る文庫書下ろし。
3.天璋院篤姫と皇女和宮清水將大コスミック出版3巻
十三代将軍家定のもとに薩摩から遠路はるばる輿入れした篤姫と、公武合体の旗印として十四代将軍家茂に降嫁した皇女和宮。華やかな婚礼とは裏腹に重い命題を課せられ、二人が将軍の御台所となったのは幕末。新しい時代へと向かい、日本国中が揺れていた時期である。しかも篤姫は二年足らず、和宮は四年あまりで夫に先立たれてしまう。運命の過酷さに涙し、凄まじい確執の時をへて、やがて二人は「徳川の嫁」としてわかりあい、絆を深めていく―。運命に翻弄されつつも、力強く歩み続けた二人の女性と、彼女たちが過ごした大奥の実態を、エピソードを中心に描く。
4.猛スピードで母は長嶋有文藝春秋2巻
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。解説・井坂洋子
5.出雲 神々への愛と恐れ西村京太郎徳間書店4巻
K美を殺してやりたい―出雲大社に呪いの絵馬を掲げたと思われるM銀行のOL堀井恵が殺された。警視庁捜査一課・十津川警部らの捜査によって、K美とは、モデルあがりのデザイナー井崎清美と判明。当初、エリート銀行員・栗田信彦をめぐる三角関係のもつれかと思われたが、栗田が岡山から出雲へ向かう特急《やくも13号》の車中で毒殺され、事件は予想外の展開を見せ始めた。長篇トラベル・ミステリー。
6.現役営業マンが明かす 不動産屋のぶっちゃけ話関田タカシ彩図社3巻
「事故物件」と不動産業者、不動産業者の営業を断る方法、「購入」と「賃貸」どっちが得?手に負えないお客様たち、扱いに困る危ない物件、営業マンの給料事情etc…。不動産にまつわる裏話打ち明けちゃいました。
7.天国はまだ遠く瀬尾まいこく新潮社3巻
仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。
8.苦役列車西村賢太新潮社2巻
劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は―。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。
9.時の罠辻村深月・万城目学・湊かなえ・米澤穂信文藝春秋3巻
辻村深月、万城目学、湊かなえ、米澤穂信―綺羅、星のごとく輝く人気作家たちによる、〈時〉をテーマにしたアンソロジー。小学校時代に埋めたタイムカプセルがほどくこじれた関係、配置換えになった「縁結び」の神様の新たな仕事、人類には想像もつかない悠久なる物語……。〈時間〉が築いたきらびやかな迷宮へ、ようこそ―。
10.「感じがいい」と言われる人の話し方松本幸夫日本実業出版社3巻
「感じがいい人」になるのに才能はいらない。会話以前のマナー、注意したい会話のタブーなど、ちょっとしたコツを実践するだけで、あなたの好感度は一気にアップ。仕事も人生もうまくいく話し方のコツを紹介。
11.春から夏、やがて冬歌野晶午文藝春秋4巻
スーパーの保安責任者・平田は万引き犯の末永ますみを捕まえた。いつもは容赦なく警察に突き出すのだが、ますみの免許証を見て気が変わった。昭和60年生まれ。それは平田にとって特別な意味があった―。偶然の出会いは神の導きか、悪魔の罠か? 動き始めた運命の歯車が2人を究極の結末へと導く! 解説・榎本正樹
12.おちくぼ姫田辺聖子角川書店3巻
高貴な生まれにもかかわらず、意地わるな継母に縫い物ばかりさせられている貴族の姫君。落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らす彼女は、邸の者からも「おちくぼ」と呼ばれていた…。そんなある日、都でも評判の貴公子が姫君の噂を聞きつけて求婚を!熱心な貴公子に姫君の心も動かされるものの、さまざまな問題が立ちはだかる。はたして二人の恋の行方は…?若い読者のために現代訳された、田辺流「王朝版シンデレラ」!
13.ユタとふしぎな仲間たち三浦哲郎講談社3巻
満月の夜、噂の妖怪“座敷わらし”に会うために、旅館の離れに泊まるユタ(勇太)。そして、ついに出会ってしまった“座敷わらし”ペドロとその仲間たち。彼らとの交流は、いったい夢なのか現実なのか?“座敷わらし”と友だちになった、ユタの時空を超えたふしぎなできごととは…。転校先でいつもひとりぼっちだったユタが、勇気ある少年へと成長していきます。
14.ジャパン・トリップ岩城けい角川書店4巻
オーストラリアのローランド・ベイ・グラマー・スクールに通うショーンは、大好きな祖母と離れてはじめてのジャパン・トリップへ。ステイ先の和菓子職人のオトーチャン・オカーチャンに優しくされて日本を満喫するショーンだけど、秘めた目的を達成するために大事件を起こしてしまう! 一方、引率として久しぶりに故郷・日本へ帰ってきた山中光太朗は、様子のおかしい女子生徒・ハイリーのことが気がかりで―。
15.塵の街 勝海舟の慶応四年三月十二日小泉あいこブイツーソリューション5巻
衝撃の幕末史。史上最大の会談の裏に隠されたドラマ。慶応四年三月十三日、江戸と日本の命運は一人の男に託された ―東征大総督府下参謀・西郷吉之助との会談を明日に控え、砂塵散る緊迫の江戸をさまよう勝麟太郎の胸に去来する痛恨とは? かつてない視点で海舟が、慶喜が、龍馬が甦る! フィギュアスケート小説『スケーターズ・オン・ザ・エッジ』の著者が放つ衝撃の幕末小説! !
16.おとうと幸田文新潮社4巻
高名な作家で、自分の仕事に没頭している父、悪意はないが冷たい継母、夫婦仲もよくはなく、経済状態もよくない。そんな家庭の中で十七歳のげんは三つ違いの弟に、母親のようないたわりをしめしているが、弟はまもなくくずれた毎日をおくるようになり、結核にかかってしまう。事実をふまえて、不良少年とよばれ若くして亡くなった弟への深い愛惜の情をこめた看病と終焉の記録。
17.不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学森本あんり新潮社5巻
「不愉快な隣人」と共に生きる哲学―。「わたしはあなたの意見に反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」 こんなユートピア的な寛容社会は本当に実現可能なのか。不寛容だった植民地時代のアメリカで、異なる価値観を持つ人びとが暮らす多様性社会を築いた偏屈なピューリタンの苦闘から、そのしたたかな共存の哲学を読み解く。現代でこそ役に立つ「キレイごとぬきの政治倫理」。
18.シティ・マラソンズ三浦しをん あさのあつこ 近藤史恵文藝春秋3巻
社長命令で、突然ニューヨークシティマラソンに参加することになった安部広和。かつて家庭教師をしていた社長の娘・真結を監視しろというのだ。(「純白のライン」三浦しをん)ニューヨークで、東京で、パリで。彼らは、ふたたびスタートラインに立った―。人気作家がアスリートのその後を描く、三つの都市を走る物語。
19.池波正太郎の江戸料理を創る藤井宗哲 川口宗清尼マガジンハウス2巻
豪快で繊細、簡単で美味い。池波文学の精髄ともいえる、男の江戸料理。春は蛤の小鍋立て、夏は焼茄子のお汁、秋は船頭飯…。各料理の描かれた文章とともに料理のレシピを紹介する。

2022年度版(2021年4月から2022年3月作成)

                                                                                                                                                                                                        
書名著者出版社巻数
1.ハードボイルド/ハードラック吉本ばなな幻冬舎2巻
「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す人々の心が光り輝き始める時を描く、二つの癒しの物語。
2.ぼくは勉強ができない山田詠美新潮社4巻
ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美が活躍する元気溌剌な高校生小説。
3.50過ぎたら、ものは引き算、心は足し算  知識より知恵編沖幸子祥伝社3巻
年を重ねれば、そうじや片づけがつらくなるのは仕方のないこと。最小限の手間と時間で素敵に暮らすために、「そうじのカリスマ」が、1回5分で誰でもできる、心地よい暮らしの習慣をお教えします。
4.変身カフカ新潮社2巻
ある朝、目をさますと自分が巨大な毒虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザの物語は、異常な事件それ自体よりも事件をごくありふれた日常茶飯事のように語る冷静な報告調の文体によって読む者に激しい衝撃を与える。第一次大戦直後のドイツの精神的危機、破局の意識から来る絶叫、忘我、新しきものの待望などを変身した男に託して描き、現代実存主義文学の先駆をなす傑作。
5.名短篇ほりだしもの北村薫・宮部みゆき編筑摩書房5巻
「過呼吸になりそうなほど怖かった!」と宮部みゆきが思わず口にした、ほりだしものの名短篇! 宮沢章夫「だめに向かって」、片岡義男「吹いていく風のバラッド」、内田百閨u亀鳴くや」、久野豊彦「虎に化ける」、伊藤人譽「穴の底」、織田作之助「天衣無縫」など、目利き二人を震わせた短篇が勢揃い。
6.金沢加賀殺意の旅西村京太郎角川書店4巻
片山津温泉の旅館で東京のカメラマン、湯浅が射殺体で発見された。湯浅は旅館の美人女将・北川深雪を訪ねて古都・金沢まで来たという。つづいて旅館の経営者、市川も射殺される。連続射殺事件の真相を求め、片山津に向かう十津川警部。捜査の過程で、深雪の実家が詐欺で数十億円を騙し取られていた過去が明らかになる。そして、詐欺事件の関係者が次々と射殺されていくが…。本当に裁くべきは女か悪党か?十津川の心が惑う! 傑作長編トラベル・ミステリー。
7.爪と目藤野可織新潮社2巻
あるとき、母が死んだ。そして父は、あなたに再婚を申し出た。あなたはコンタクトレンズで目に傷をつくり   訪れた眼科で父と出会ったのだ。わたしはあなたの目をこじあけて― 三歳児の「わたし」が、父、喪った母、父の再婚相手をとりまく不穏な関係を語る。母はなぜ死に、継母はどういった運命を辿るのか…。独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させるホラー。芥川賞受賞作。
8.俳句がうまくなる100の発想法ひらのこぼ草思社2巻
俳句の入門書は数多いが、実作にすぐ役立つものはない。本書は「発想」という観点から、100の「型」を抽出し、それぞれに古今の秀句を例句として付しながら、わかりやすく解説。初心者はもちろん俳歴10年以上の中級者にも実作のヒントをもたらす画期的な作句ノウハウ書。
9.ことわざ・四字熟語辞典江藤蓮編集協力いろは舎4巻
ことわざ302語・四字熟語412語収録! 探している言葉がすぐ見つかるテーマ別! お金 人生 運・不運 男女関係 家族 健康 etc…  「日本三景」などの数にまつわる言葉も充実の84語収録!
10.あつあつを召し上がれ小川糸新潮社2巻
この味を忘れることは、決してないだろう―。10年以上つきあった恋人との、能登へのお別れ旅行で味わった最高の朝食。幼い頃に、今は亡き母から伝授された、おいしいおみそ汁のつくり方。何年か前に家族みんなで並んでやっとありついた、天然氷でつくった富士山みたいなかき氷…。ときにはほろ苦く、ときには甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。
11.九十歳。何がめでたい佐藤愛子小学館2巻
人生いかに生きるか、なんて考えたこともない。その場その場で突進するのみ― 九十歳を過ぎ、もはや満身創痍の愛子センセイがヘトヘトでしぼり出した怒りの書。金言・至言の数々に小学生からお年寄りまで笑って泣いて大絶賛の声止まず、2017年年間ベストセラー総合第一位に輝いた国民的エッセイが待望の文庫化! 新たに、怒涛狂乱の日々を綴ったエッセイや、旭日小綬章を受章した際の爆笑会見の模様、冨士眞奈美さんとの対談などをたっぷり加えた完全保存版。
12.富子すきすき宇江佐真理講談社4巻
夫の吉良上野介が内匠頭に斬りつけられた日から歯車は少しずつ狂っていった。赤穂浪士の討ち入りで上野介を喪った富子。あの事件で得をした者など誰もいない。建前や武士としての体裁なんて関係ない。世間が何と言おうと、私にとってはたった一人の優しい夫だったのに。妻から見た「松の廊下事件」とは。
13.もしもし、神様 “正しい神社”で幸せ力を高める大川知乃マガジンハウス3巻
相談相手はアマテラスさま、神さまを味方につける方法。日々神々と面会し、語り合いながら、人間と神の絆を取り戻すべく心を注ぐ大川知乃が語る、神さまを味方にするための心得とマナー。
14.病気が逃げ出す上体温(じょうたいおん)のすすめ今津嘉宏ワニブックス3巻
風邪、インフルエンザ、高血圧、心筋梗塞、動脈硬化、皮膚炎、冷え症などが気になる寒い季節がやってきました。でも、「温かいからだ」を日々の生活の中で作り上げれば、多くの病気は事前に予防することができます。さあ、名医が実践する“上体温”健康法で、風邪ウイルスからがん細胞までやっつけましょう!
15.峠の声伊集院静講談社3巻
母は決まってこう訊いた。「何か聞こえはせなんだか?」墓所へ向かう峠の道で毎年、必ず。記憶の暗部を抉る表題作の他、鎌倉の坂道で交錯する男女の想いを透徹した文体で描く「化粧坂(けわいざか)」、十九年ぶりに再会する娘へ心の揺れを感じる「聖夜」など男と女の生きる哀しみに迫る傑作集。伊集院ワールドの輝く結晶。

2021年度版(2020年4月から2021年3月作成)

                                                                                                                                                
書名著者出版社巻数
1.ギケイキ ― 千年の流転町田康河出書房新社6巻
はは、生まれた瞬間からの逃亡、流浪。千年の時を超え、私は、私の物語を、語ろうと思う―私の名は源義経。打倒平家を胸に、都会的なファッションに身を包み、早業を駆使。鞍馬での幼年期から奥州への旅、メンヘラ気味な最強の家臣弁慶との出会い、そして兄頼朝への思い…。古典『義経記』が超絶文体で現代に甦る!激烈に滑稽で悲痛な、超娯楽大作小説、ここに開幕。
2.神様のいない日本シリーズ田中慎弥文藝春秋2巻
野球賭博絡みのトラブルで失踪した父親から少年に葉書が届く。「野球をやってるか」。野球好きだった父親の願いをきくべきか、野球を嫌悪する母親に従うべきか。おりしも1986年、日本シリーズでは、大逆転劇が起ころうとしていた。はたして少年の身にも奇跡は訪れるのか。芥川賞作家の描く父と子の迫真の物語。
3.アーモンド入りチョコレートのワルツ森絵都角川書店3巻
ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。胸の奥のやさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。第20回路傍の石文学賞受賞作。
一日一生酒井雄哉朝日新聞出版2巻
現代の“生き仏”と称される酒井雄哉・大阿闍梨の慈雨の言葉。なぜ生きるのか。どう生きるべきか。苦しみや死をどう受け止めたら良いのか。人生に迷い悩むすべての人に。
4.つぶやき岩の秘密新田次郎新潮社3巻
両親を海難事故で亡くした六年生の紫郎は、岩場に耳を当て、海のつぶやきを聞くのが好き。それは母の声のように響く。ある日、崖の半ばに人影を一瞬見た。幽霊を見たのか。先生の協力を得て、謎の人物の解明に乗り出すが、謎は謎を呼び、ついには死者が。息詰まる冒険と暗号解読を経て紫郎は、崖の秘密、両親の死の秘密を掴む…。物語の神様、新田次郎が描く傑作少年冒険小説。
5.ノスタルジア埜田杳角川書店3巻
不眠症の高校生・檜山は毎夜窓の外を見下ろし、夜の町に深い海のような孤独を見ていた。そんなある夜、やはり眠れずに彷徨していた同じ学校の矢鳴に声をかけられる。矢鳴の幼馴染みキューピーさんも加わって、不思議に心地よい日々が始まった。だが、矢鳴はある奇病に罹っていたのだ――羽が生えて四散する肉体。喪った掌の温度、嫌いすぎて触りたい関係―切実な痛みに満ちた、かけがえのない物語。
6.太陽の坐る場所辻村深月文藝春秋6巻
高校卒業から十年。元同級生たちの話題は、人気女優となったキョウコのこと。クラス会に欠席を続ける彼女を呼び出そうと、それぞれの思惑を胸に画策する男女たちだが、一人また一人と連絡を絶ってゆく。あの頃の出来事が原因なのか…?教室内の悪意や痛み、十年後の葛藤、挫折そして希望を鮮やかに描く。
7.時間やお金をかけなくても 手軽にできるていねいな食生活加藤ゑみ子ディスカヴァー・トゥエンティワン2巻
仕組みさえできれば、美味しくて身体によい毎日の食事はつくれる。旬の食材リスト、定番常備菜レシピ、一週間のメニュー表、食材別保存方法、食器の選び方など、今日からすぐに実践できるヒントが満載。生活研究の第一人者が実践している日常食の決定版。
8.やってはいけない老後対策大村大次郎小学館3巻
長生きすれば得する「とんちん年金」って知っていますか!?65歳の2日前に退職して雇用保険をもらおう。月5万〜10万円稼げばOKのプチ起業のキモは?無税でお得な「確定拠出年金」で“自分年金”を増やそう。老後資金は3000万円なくても大丈夫!元国税調査官が教える最強の家計防衛術。
9.アンクル・トムの小屋ハリエット=ストウポプラ社6巻
いまからおよそ110年ほどまえまで、アメリカには奴隷制度というものがありました。アフリカから強制的に連れて来た黒人たちを、まるで家畜のように売り買いしてこき使うという、おそろしい制度です。シェルビー家に、トムという黒人奴隷がいました。シェルビー氏が事業に失敗し、借金のかたとしてトムは売られてしまうことになったのです…。
10.負け猫のしあわせ 彼女が僕を拾ってくれた岡崎昂裕朝日新聞出版3巻
49歳、フリーライター。離婚後宿無しになった男はネット上で知り合った年下女性のマンションに転がり込む。彼女は大企業の管理職。稼ぎはあるが超多忙で病弱。その日から彼女のために炊事、洗濯、掃除、送り迎えまでをこなす奮闘の日々が始まった。命拾いした男と彼女の切実な暮らしを描く純愛ドキュメント。

2020年度版(2019年4月から2020年3月作成)

                                                                                                                                                                                          
書名著者出版社巻数
1.大江戸検定四択ドリル ― これであなたも江戸通に!幸運社コスミック出版3巻
「明六つ、暮六つは現在の何時?」「仇討ちの仇討ちは許された?」「好まれていた寿司ネタは?」などなど、江戸時代の常識は現代人には新鮮なことばかり。江戸を知り、遊び、楽しむガイド書であり、「江戸文検」にトライされる皆様のための究極の練習帖。
 
2.肝っ玉かあさん平岩弓枝文藝春秋3巻
東京・原宿の地元っ子の自慢といえば、原宿駅舎、欅並木に明治神宮。それに加えて、蕎麦屋「大正庵」のおかみ、という声も少なくない。大正五三子は心も身体も太っ腹、世話好きで、涙もろい、人呼んで“肝っ玉かあさん”。長男の嫁、孫育てに適齢期の娘…家族の悩みと喜びを、鋭くも軽妙に描く、これぞホームドラマの原点。
 
3.ハーフ草野たきジャイブ2巻
「おまえの母さんは、飼い犬のヨウコなんだよ」と言われて育った真治。それがおかしなことだとわかりながら、気づかないふりをしている。こんな父親を受け入れて、生きていくしかないのか―。親になりきれない父と息子の葛藤を描く、家族の革命と再生の物語。育つ環境を選べず、自活もできない子供達が未来への希望を追求する姿は、気高くも美しい。
 
4.かぐら文具店の不可思議な日常高山ちあき集英社4巻
友人たちの進路が決まっていくなか、就職先が決まらない璃子。そんなとき近所の文具店で、一風変わった青年・遥人と知り合うが、なぜか彼の周りにいる奇妙なモノが見えるようになってしまう。訳がわからないまま、行方不明の父が残した万年筆に合うインクを探してもらうことに。遙人の祖母からは嫁扱いされつつ「かぐら文具店」で働くことになった璃子だったが…?
 
5.ごきげんな裏階段佐藤多佳子新潮社2巻
アパートの裏階段。太陽も当たらず湿ったその場所には、秘密の生き物たちが隠れ住んでいる。タマネギを食べるネコ、幸せと不幸をつかさどる笛を吹く蜘蛛、身体の形を変えられる煙お化け。好奇心いっぱいの子供たちは、奇妙な生き物たちを見逃さず、どうしても友達になろうとするが……。子供ならではのきらめく感情と素直な会話。児童文学から出発した著者、本領発揮の初期作品集。
 
6.キャベツ石井睦美講談社2巻
中二でおやじを亡くしてから、母と妹のために、ぼくは毎日せっせとご飯をつくる。冷蔵庫を開けたら戦闘開始! 切ない日も、けんかしたってこの味が家族の幸せを守ってるんだから。そうして十八にしては所帯じみていたぼくに、突然の恋が訪れた。児童文学の名手が繊細に描く、少年の恋と、日常のきらめき。
 
7.リトル・バイ・リトル島本理生講談社2巻
ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父――。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。
 
8.多摩川のミーコなりゆきわかこKADOKAWA3巻
星も見えない夜、子猫のミーコは人間に捨てられた。震える彼を拾い上げたのは、ホームレスの“おっちゃん”だった。人間への不信感を持ったミーコだが、母親代わりに育ててくれる白猫のたまさんや、危険を顧みずに自分を守ってくれるおっちゃんとの関わりを通じ、人との絆を取り戻していく。しかしその矢先、河川敷を台風が襲い…。2007年に関東を襲った大型台風、台風9号。その裏で起きた、出会いと別れを描く感動の実話。
     
9.500年たってもいい話 ― 人生・お金・仕事・結婚極意書斎藤一人PHP研究所1巻
日本一幸せなお金持ち・斎藤一人さんが、人生・お金・仕事・結婚の悩みを解決する方法をアドバイス! 「世の中って不公平だな……」と嘆いている人も、読めば読むほど、幸せな奇跡がなだれのごとく起きます! 「幸せというのは待っててくるものじゃない。自分から幸せにならなくちゃいけない」(斎藤一人)。 あなたも、本書のアドバイスを実践して、幸せをいっぱいつかみませんか?
     
10.君へ。つたえたい気持ち三十七話ダ・ヴィンチ編集部メディアファクトリー2巻
「コミュニケーション」をテーマに、鷺沢萠、山本文緒、北方謙三、宮本輝など、37人の人気作家によるとびきりのエピソードをまとめた作品集。『ダ・ヴィンチ』に掲載した「日本テレコム マンスリーエッセイ」を単行本化。
     
11.しくじり動物大集合新宅広二永岡書店3巻
ダチョウは性格が○○だから座るときに○○しちゃう。キリンは○○だから水を飲まない。テングザルは鼻が○○だけどふだんは○○。スプリングボックは○○するけど結局つかまる。パンダのウンチはとっても○○○。カバのケンカは○○しているだけ…笑って学べる!オモシロ楽しい動物進化論!
     
12.弘兼流60歳からの手ぶら人生弘兼憲史海竜社3巻
弘兼憲史、身辺整理始めました。「常識」という棚にしまったすべてのものを一度おろして、ひとつひとつ吟味してみませんか。そうすれば、きっとこれからの人生に必要なものと必要でないものが見えてくるはずです。
     
13.ギケイキA 奈落への飛翔町田康河出書房新社6巻
源義経が千年の時を超え自らの物語を語る! 兄頼朝との対立、恋人静との西国落ち…古典『義経記』が現代に甦る、抱腹絶倒の第2巻。「ギケイキ@ 千年の流転」も貸出できます。
     
14.土の中の子供中村文則新潮社2巻
27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。著者初の短篇「蜘蛛の声」を併録。
     

2019年度版(2018年4月から2019年3月作成)

                                                                                                                                    
書名・巻数著者出版社
1.おはん全2巻宇野千代新潮社
妻と愛人、二人の女にひかれる男の情痴のあさましさを、美しい上方言葉の告白体で描き、幽艶な幻想世界を築いて絶賛を集めた代表作。  
2.スローモーション全2巻佐藤多佳子ジャイブ
柿本千佐、女子高の1年生。22歳のニイちゃんは元不良で無職、父さんは小学校教師でクソ真面目人間、母さんはお見合いでバツイチ堅物男と結婚した専業主婦。父さんはあたしに、修道女みたいなタイプを望んでいる。最近、いつも動作がスローな同級生・及川周子が気になってしかたがない―。『しゃべれどもしゃべれども』などで話題の著者による、ちょっと痛くて切ない少女たちの物語。  
3.犬の消えた日全3巻井上こみち幻冬舎
時は太平洋戦争末期。幼いさよ子のかわいがっていた二頭のシェパード犬が出征した。兵士と共に戦うため前線へ送られたのだ。悲しみに沈むさよ子。見かねた家族は、軍用犬にならずにすむ柴犬を飼い始めた。だがある日、飼い犬はお国のために献納すべし、と“供出命令”の通達が・・・。実話をもとに描かれた、戦渦の中の犬たちの知られざる物語。  
4.ねこみせ、がやがや ― 大江戸もののけ横町顛末記全2巻高橋由太幻冬舎
高利貸しの銀蔵に井戸の中へ突き落とされた十二歳の勝太。起きたら、そこは人の子が一人もいない妖怪の町だった。河童の九助、お茶ばかり飲んでいるぬらりひょんらとともに、「黒猫サジの妖怪飛脚」で働くことになったはいいが、文福茶釜が営む茶屋の売り上げを盗んだと疑われてしまう。はたして勝太は人の世に帰れるのか。待望の新シリーズ開幕!  
5.福家族 ― 神谷町物語全3巻中村芝翫ベネッセコーポレーション
名女形・中村芝翫が初めて語る芸のこと家族のこと・・・人生の感動的なドラマ。中村福助、橋之助の父であり、名女形である著者が、初めて語る芸のこと、家族のこと…。「神谷町」のいわれ、子ども時代の思い出、自ら3人目の父と呼ぶ六代目菊五郎の教えなど、しみじみと語る人生ドラマ  
6.天使の恋全4巻sinアスキー・メディアワークス
他人を惹きつける美貌とカリスマ性を持つ女子高生の理央。お金と利用できる人間だけが大事で、援交を繰り返す毎日。そんなある日、偶然かかってきた間違い電話―奇跡のような出逢いが理央を変えていく。“本当の愛”を見つけた女子高生と感情をなくした大学講師の、切なすぎる恋を描いて感動を呼び、2009年に映画化。衝撃のラブストーリーがついに文庫化。  
7.旅の手帳 すばらしき旅仲間たち その1 〜出会いはいつも旅の空〜全3巻「旅の友」編集部編近畿日本ツーリスト
人々が集まり、旅立って、体験を共にし、仲間ができる。2人、3人から7人、18人と交流が発展するほどに、旅の楽しみは奥が深くなる。旅先で共感し合った心と心が、次々と共鳴を呼んで、新しい旅、豊かな生活を創造してゆく。  
8.わたしのグランパ全2巻筒井康隆文藝春秋
中学生の珠子の前に、ある日、突然現れたグランパ(祖父)はなんと刑務所帰りだった。だが、侠気(おとこぎ)あふれるグランパは、町の人からは慕われ、珠子や家族をめぐる問題を次々と解決していく。そしてグランパの秘密を知った珠子に大事件が襲いかかる。「時をかける少女」以来、待望のジュブナイル。読売文学賞受賞作。解説:久世光彦      
9.ぼくは本屋のおやじさん全3巻早川義夫筑摩書房
22歳(1969年)ロックグループをやめ、小さな書店を始めた著者の奮闘記。置きたい本が入荷しない小さな店のもどかしさ。冊子『読者手帖』を作って客とふれあい、書店主同士で通信を作り交流。再び歌手を始めるまでの22年間で学んだ大切なこととは。文庫化にあたり、エッセイ8本と「早川書店」のブックカバー等を収録(絵=藤原マキ)。どこにもありそうで、ない本屋。 解説:大槻ケンヂ      
10.獅子渡り鼻全3巻小野正嗣講談社
小さな入り江と低い山並みに挟まれた土地に十歳の尊(たける)は連れて来られた。言葉が話せず体も動かせない兄と尊を、都会の狭い部屋に残していなくなった母があれほど嫌っていた田舎。豊かな自然と大人たち、霊的なるものに慈(いつく)しまれ、尊は癒やされていく。芥川賞受賞作『九年前の祈り』に連なる<希望と再生>の物語。      
11.超訳 孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール全3巻田口佳史三笠書房
ライバルとの競争、取引先との交渉、トラブルへの対処…孫子を知れば「駆け引き」と「段取り」に圧倒的に強くなる。      
12.身代わり ― 母・有吉佐和子との日日全4巻有吉玉青新潮社
娘の身にあまる贈物をのこして、母は突然逝った。大いなる個性、過激な母に対峙する娘として過ごした20年、その殆んどを母に抗い続けることで自己を確立しようとした日日は音をたてて崩れ落ちた。それから4年半、己が身にかえてのこした母の贈り物の意味を考える娘にやっと一筋の光が射してきた…。鮮烈な母と娘の物語。      

2018年度版(2017年4月から2018年3月作成)

                                                                                                                                                      
書名・巻数著者出版社
1.乙女の密告全2巻赤染晶子新潮社
ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、みか子はスピーチコンテストの課題『アンネの日記』のドイツ語のテキストの暗記に懸命になる。そこには、少女時代に読んだときは気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。やがて噂の真相も明らかとなり……。悲劇の少女アンネ・フランクと現代女性の奇跡の邂逅を描く、感動の芥川賞受賞作。  
2.静かな木全1巻藤沢周平新潮社
藩の勘定方を退いてはや五年、孫左衛門もあと二年で還暦を迎える。城下の寺にたつ欅の大木に心ひかれた彼は、見あげるたびにわが身を重ね合せ、平穏であるべき老境の日々を想い描いていた。ところが……。舞台は東北の小藩、著者が数々の物語を紡ぎだしてきた、かの海坂。澹々としたなかに気迫あり、滑稽味もある練達の筆がとらえた人の世の哀歓。藤沢周平最晩年の境地を伝える三篇。  
3.こうばしい日々全2巻江國香織新潮社
ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ…。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った代表作「こうばしい日々」。結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人が失くした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。  
4.身近な人が亡くなった後の手続のすべて全4巻児島明日美・福田真弓・酒井明日子自由国民社
葬儀や法要のこと、健康保険や年金のこと、相続手続のこと、預貯金等の名義変更のこと、相続税のこと。実際に身近な方が亡くなって、様々な手続にとりかからなければならない方、これからそのような場面を迎える可能性がある方に、いちばん身近な参考書として活用していただけるようこの本を作りました。 期限に間に合うよう、二度手間にならないよう、様々な手続をわかりやすく整理しました。いつまでに何をしなければならないか、手続の流れがしっかりわかります。  
5.花のあと全4巻藤沢周平文芸春秋
娘盛りを剣の道に生きた武家の娘、お以登にも、心中ひそかに想う相手がいた。部屋住みながら道場随一の遣い手・江口孫四郎である。女剣士の昔語りとして端正に描かれる異色の表題作のほか佳品七篇(「鬼ごっこ」「雪間草」「寒い灯」「疑惑」「旅の誘い」「冬の日」「悪癖」)。  
6デフ・ヴォイス−法廷の手話通訳士全5巻丸山正樹文芸春秋
仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。ろう者の法廷通訳を務めていたら若いボランティア女性が接近してきた。現在と過去、二つの事件の謎が交錯を始め……。マイノリティーの静かな叫びが胸を打つ。衝撃のラスト!  
7.姉の結婚全4巻群ようこ集英社
ごく普通の男と普通に結婚した姉。当然のように波風がたち、ごく普通に破局がやってきた…。表題作他、ささやかな見栄を支えに、キッチリ明るく元気に生きる女たちの物語。  
8.クリスピー物語全2巻鈴木光司他ネスレ文庫プロジェクト
岐路に立つ男女、再会に交錯する思い。幼い日、一瞬手にしたあの忘れがたい感触。新居と弟をめぐる、哀しくも胸を打つ思い出。結婚に迷う男のささやかな願い。人里離れた屋敷に住む、奇妙な老人と少女。「生まれ変わりたい」との、妻の申し出に夫は。 人生を変える別れと出逢い、日常に秘められた新たな予感を、六人の作家が書き下ろす! 「殻を脱ぐ」をテーマとした六つのショートストーリー。      
9.恋のトビラ−好き、やっぱり好き。全2巻石田衣良他集英社
素敵な出会いがない、好きな人はいるのにもう一歩が踏み出せない―そんなあなたに人気作家5人が贈る、抱きしめたくなるほどいとおしいラブストーリー。大学で知り合った危険な匂いのする先輩、旅先の孤独感から連れ出してくれた男性、オフィスで一目惚れした眼鏡の似合う彼…女の子の心の鍵を開けてくれる男性との出会いが詰まってます。読むだけで恋したくなる、とびきりのアンソロジー。      
10.たびねこ、とことこ−大江戸もののけ横町顛末記全2巻高橋由太幻冬舎
やっとの思いで妖怪の町から江戸へと戻った勝太だが、妹のかえでは、女衒の銀蔵に西へと連れ去られた後だった。そこへ現れたのは、お岩の幽霊。人の町でも妖怪飛脚を始めた黒猫サジに、かつての夫・伊右衛門が待つ箱根まで手紙を届けてほしいと依頼する。勝太はサジ、ぬらりひょんら妖怪仲間と一路、東海道へ。はたして、かえでと再会できるのか。      
11.たたら侍全3巻原作:錦織良成 ノベライズ:松永弘高 朝日新聞出版
時は戦国時代。出雲の山奥で、幻の鋼づくりを代々継承してきた家の跡取り・伍介。乱世の中で己の無力を噛み締めた青年は、村を守る力を得るため、侍になるべく一人旅立つ。劇団EXILE・青柳翔主演、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞受賞の映画を完全ノベライズ。      
12.文明開化 灯台一直線!全4巻土橋章宏筑摩書房
時は明治2年。日本人を見下すお雇い外国人リチャード・ブラントン、出自ゆえに孤独に生きる通訳の丈太郎、天才発明家“からくり儀右衛門”こと田中久重の3人は長崎伊王島で条約に定められた近代灯台の建設に取りかかる。言葉と文化の壁、牙を剥く日本の地震、予期せぬトラブル…。立ちはだかる困難を前に、男たちは貧しい漁村に光を灯すことができるのか?      
13.ジョゼと虎と魚たち全4巻田辺聖子角川書店
足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、管理人として同棲中の、大学を出たばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」、他に、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇、八篇を収録した珠玉の作品集。      
14.寂庵だより2017.1〜2017.12 瀬戸内寂聴・編 曼陀羅山寂庵

2017年度版(2016年4月から2017年3月作成)

                                                                                                                                                                                  
書名・巻数著者出版社
1.ハゴロモ全2巻よしもとばなな新潮社
失恋の痛みと、都会の疲れをいやすべく、ふるさとに舞い戻ったほたる。大きな川の流れるその町で、これまでに失ったもの、忘れていた大切な何かを、彼女は取り戻せるだろうか…。赤いダウンジャケットの青年との出会い。冷えた手をあたためた小さな手袋。人と人との不思議な縁にみちびかれ、次第によみがえる記憶―。ほっこりと、ふわりと言葉にくるまれる魔法のような物語。  
2.まねきねこ、おろろん−大江戸もののけ横町顛末記3全2巻高橋由太幻冬舎
江戸で暮らす勝太とかえでのところに、招き猫のつくもんが転がり込む。つくもんはかつては唐の仙虎だったという。その力を借り妖怪の町に戻ると、町はもぬけの殻。人形浄瑠璃『平家物語』の“人形”たちに乗っ取られていたのだ。黒猫サジ、妖怪奉行犬神ら妖怪軍団と、義経、弁慶ら人形軍団の対決の行方は!?新キャラクター満載のシリーズ第三弾!  
3.入り婿侍商い帖(一)全4巻千野隆司KADOKAWA
旗本家の次男・角次郎は舂米(つきごめ)屋の主人・大黒屋善兵衛に見込まれて、婿入りした。米屋の若旦那として商売をはじめると、聞いていた話と大違い。店の経営は芳しくなく、妻は自分と口をきいてくれない。角次郎は店を立て直すべく奮闘するが…。妻と少しずつ心を通わせ、力を合わせて商家を再興していく物語。  
4.入り婿侍商い帖(二)水運のゆくえ全4巻千野隆司KADOKAWA
旗本家の次男・角次郎は、縁あって舂米(つきごめ)屋に入り婿した。不作の中で、何とか米の仕入れを行うべく、水運盛んな関宿城下へ向かった角次郎だが、関宿藩の藩米横流しの濡れ衣で投獄されてしまう。角次郎を救うため、新妻のお万季が取った行動は…!?妻と少しずつ心を重ね、家族一丸となって、米屋を再興していく物語。  
5.入り婿侍商い帖(三)女房の声全4巻千野隆司KADOKAWA
旗本家次男の五月女角次郎は、縁あって舂米(つきごめ)屋の大黒屋に入り婿した。関宿藩の藩米横流し事件の解決を助太刀した角次郎に、関宿藩勘定奉行配下の朽木弁之助から極秘の捜査依頼が持ちこまれる…。妻と心を重ね、家族一丸となって米屋を繁盛させていく物語。  
6.世界がもし100人の村だったら全1巻池田香代子マガジンハウス
世界を100人に縮めるとまったく違うあなたが見えてくる。インターネットで世界を駆けめぐった現代の民話。  
7.クッキーの本全2巻グラフ社グラフ社
クッキーは作るのが容易な上に、味の奥行きが深いので、初心の方もベテランの方も手作りを楽しめます。本書では、スプーン2本で形を作るものから、天板に流し込んで焼いて切るものまで、いろいろな作り方と、甘いもの、辛いもの、チーズのきいたものなど、バラエティ豊かな味もご紹介しました。  
8.川崎生活ガイド2015幸区版全7巻企画・編集 NTTタウンページ
9.ぼくらのバス全2巻大島真寿美ポプラ社
暇を持て余していた、小学五年生の加納圭太は、弟の広太を誘い昔通った「バスの図書館」へ行ってみる。管理人のおじいさんが亡くなって以来使われずにいた「バスの図書館」は、かつての面影を失い荒れ果てていた。こっそりとバスに忍びこみ「秘密基地」にした二人だったが、ある日、家出少年の富士田順平が押しかけてきて…。少年たちの成長が瑞々しく描かれた、ひと夏の青春ストーリー。      
10.きことわ全2巻朝吹真理子新潮社
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった…。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。境がゆらぐ現在、過去、夢。記憶は縺れ、時間は混ざり、言葉は解けていく――。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。      
11.茶の本全2巻岡倉天心致知出版社
茶道は本質的に「不完全なもの」を崇拝します。それは私たちが、「完成されないもの」と自覚しているこの人生において、それでも「実現可能な何かを成し遂げよう」と儚い試みを続ける存在だからなのです。全文をとことん読みやすくしました!101分で読めます。      
12.ソーシャルもうええねん全3巻村上福之ナナ・コーポレート・コミュニケーション
元パナソニックの組み込みエンジニアだった筆者の、ソーシャルメディアの波に立ち向かうための思考術! モバゲーの儲けを支えるブルーカラー、食べログやらせライター、年収12億円アフィリエイター、そして、すべてのネットユーザーに捧ぐ! ネット募金からサイト売却まで、数々のプロジェクトの裏を語る!      
13.冒険の国全2巻桐野夏生新潮社
永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。特に、弟の英二と妹の美浜は、強い絆で結ばれていた。が、ある日、一人が永遠に欠けた。英二が自殺したのだ。美浜は、欠落感を抱えたまま育った街に帰って来る。街はディズニーランドが建設され、急速に発展していた。そこで、美浜は兄の恵一に再会する。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。      
14.パレード全1巻川上弘美平凡社
夏の午(ひる)さがり、ツキコさんがセンセイに物語る、幼い日のできごと…。「センセイの鞄」のふたりが過ごした、遠いこだまのような時間。もうひとつの物語。「センセイの鞄」のサイド・スト−リー。      
15.ニューヨークの魔法は続く全2巻岡田光世文芸春秋
高層ビルとコンクリートに囲まれた都会でも、人はこんなに人間らしく生きられる。欠点があっても、ちょっと変わっていても、一人ぼっちでも、きっと明日はもっと面白い。著者の描くニューヨークの街角は、寒い冬の日にそっと差し出される缶コーヒーのように温かい。この本には、たしかに魔法がつまってる。      
16.私の風景全2巻池波正太郎朝日新聞社
生まれ故郷・東京の思い出深い場所を、ひとつひとつスケッチした「東京の情景」。最後の楽園が変わり果てる前に、と訪れたシンガポール・インドネシア旅行記「夜の闇の魅力」。映画や絵画を通じ親しみを抱くフランス旅行記「ルノワールの家」。変わりゆく風景を惜しみつつ綴ったシリーズ第3弾。  
17.花緑がナビする大人の落語ことはじめ全3巻柳家花緑・小野幸恵近代映画社
大人のための落語入門。上野鈴本演芸場や花緑の独演会「花緑ごのみ」を紹介、さらには、さまざまな噺について解説する。上野鈴本演芸場席亭の鈴木寧、ダンサー・俳優の小林十市、狂言師の野村万斎との対談も収録。  
18.寂庵だより2016.1〜2016.12 瀬戸内寂聴・編 曼陀羅山寂庵
2022年6月28日更新芽の字会