2009/02/28(土)講座「矢上橋の立川ローム層と旧石器」で新たなタカラモノを学ぶ

2月28日、「日吉のわッ」ネットワーク主催で、「矢上橋の立川ローム層と旧石器」の講義と現地見学を行いました。

講師は、発見し発掘に関われた増渕和夫さん。

2年前、矢上川で遊ぶ会が増渕さんをお招きして「矢上川周辺の地層」について学習会をした折に、現場付近を立ち寄ってローム層を見たことから、調査・発掘に至ったという経緯があります。立川ローム層が河床に広がっている矢上橋下流とそこから出土した旧石器について、新たなタカラモノとして学習しようというのが今回の狙いでした。

火山についてのお話から始まった講義は、とても分かりやすく、立川ローム層の成り立ちと矢上橋の河床に出現している立川ローム層がなぜ珍しいのかという理由からお話いただきました。

加瀬山と日吉台には武蔵野ローム層から後のものが堆積しています。立川ローム層は、富士山の噴火による火山灰を主としてスコリア質からなります。日本の旧石器は立川ローム層からしか出土しないということも知りました。

このローム層があることで、加瀬山は縄文海進時に島ではなかった可能性が高いという推察ができるそうです。少なくとも縄文人は干潮時には歩いて加瀬山から矢上台付近に行くことができたということも明らかだそうです。現地では立川ローム層の赤土に混じる黒っぽい粒や旧石器が出土した場所などを観察しました。