2006/05/13(土)ミクリわんど周辺の生きもの観察

雨のため、ミクリわんどの活動は中止となりましたが、周辺の生きもの観察は、せっかくの目論見(ウナギ観察)で大潮・干潮の好タイミングを逃したくなかったため、物好きな3人が実施しました。

鶴見川と矢上川合流点の砂州の大きな石をひっくり返すと、いるいる、ウナギやアベハゼ、クロベンケイガニなどが潜んでいます。夜行性のウナギは、昼間は石の下などに隠れて休んでいるのでしょう。干潮時は合流部の川底が一部干上がるため、石の下は、あんまり水気がないように感じますが、ウナギはえらの他に皮膚でも呼吸できるため、体と周囲が濡れてさえいれば陸上でも生きられるそうです。なるほど砂地でも平気でクネクネ。

ウナギは淡水魚として知られてますが、海で生まれ、川をさかのぼって川で大きくなり、ふたたび海に下り、海の中で卵を産むという「降河回遊(こうかかいゆう)」という生活形態だそうです。また、今年になってニホンウナギの出生地がマリアナ諸島沖,スルガ海山の近くであると特定されたそうです。そこで生まれたウナギの赤ちゃんは、レプトケファルスという細長い葉っぱ状の形で、成長するにしたがって細長くなり、シラスウナギになり、黒潮にのってやってきて川をさかのぼる。そして川で小動物を捕食して成長し、5年から10数年ほどかけて成熟するそうです。まだその生態が解明されていないところが多い不思議な魚だとか。

矢上川河口にはシラスから大きく40センチ級まで多数生息しています。中には、お腹が黄色いウナギもいました。
ウナギの語源は“胸黄(むなぎ)”食べ頃になると、胸が黄色味を帯びることから、この名がついたと言われるそうです。観察したものは、まさに食べごろだったんですね。ちなみに、夏ばてを予防するためにウナギを食べる習慣は、万葉集の時代からあったそうで、大伴家持が歌に詠んでいます。

石麻呂に吾(あれ)もの申す夏やせによしといふ物そむなぎ取り食せ(めせ)

雨の中のウナギとの出会い、本当に面白かった。

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